実は、多くの人が、間違ったストレッチをしています。
そのせいで、かえって症状を悪化させてしまうケースもあります。
まずは「ストレッチとは何か?」を正しく知ることが大切です。
◾️ 体を動かすときに起きていること
体を動かすとは、筋肉を収縮(コントロール)することです。
筋肉の働き方には、大きく分けて3つあります。
① 短くなる(縮む)=《短縮性収縮》
• ものを持ち上げる
• 立ち上がる
• 腕を曲げる
一般的に「力を入れる」と言われる動きです。
② 長さを保ったまま力を出す=《等尺性収縮》
• プランク
• 荷物を持ったまま止まる
• 壁押し
見た目は動いていなくても、筋肉はしっかり働いています。
③ 引き伸ばされながら力を出す=《伸張性収縮》
• 階段を降りる
• スクワットで下がるとき
• 走るときの着地
伸ばされながらブレーキをかける動きです。
つまり、体を動かすときは
①縮む ②長さを保つ ③伸びながら働く
のいずれか、または組み合わせです。
日常生活の多くは、この中でも 「縮める動作」 が中心です。
■ 筋肉が硬くなる理由
筋肉は「細い糸(アクチン)」と「太い糸(ミオシン)」が重なってできています。
力を入れる(縮む)と、糸同士がギュッと重なり、太く・硬く感じるようになります。
さらに重要なのが次の点です。
● 筋肉は、長時間縮めたままだと“クセ”になる
• 悪い姿勢
• 同じ作業の繰り返し
• スマホ首・猫背
このように縮め続けると、筋肉がその長さを“普通”だと脳が記憶してしまいます。
その結果、力を抜いているのに硬いまま。
いわゆる「慢性的なコリ」ができあがります。
これが筋肉が硬くなる原因の一つです。
■ 本来のストレッチとは?
結論を一言でいうと…
ストレッチは、縮みグセ(脳の記憶)をリセットするもの。
つまり、必要なのは “縮んでしまった筋肉だけ” です。
実は、首・背中・腰などの背面は日常的に「伸ばされる」ことが多く、むやみにストレッチすると逆に痛みを悪化させることもあります。
必要なのは「縮んで硬くなった筋肉を、元の長さに戻してあげること」。
それが本来のストレッチです。
体は、正しい方法で向き合えば必ず応えてくれます。
ストレッチも、正しい知識があれば効果が大きく変わりますので、本来のストレッチを取り入れていきましょう!

